- 「話すのが苦手」と思い込んでいた30代放射線技師が、この本で気づいたこと
- 「話す力」より「聞く力」が大事な理由と、実践して変わったこと
- 話し方の本なのに「心の姿勢」を説く本書の核心
初対面で何を話せばいいかわからない。会話が途中で止まり、沈黙が怖くなる。
「もっと話し方がうまければ、人生うまくいくのに」——そんなふうに感じていた時期が長かった。
地方の総合病院で放射線技師として働く32歳の僕は、昔から人と話すことが得意ではなかった。
「変なことを言って嫌われたらどうしよう」と考えているうちに言葉が出てこなくなる。うまく話せなかった経験が積み重なり、いつの間にか「自分は話すのが苦手な人間だ」と思い込んでいた。
医療現場では医師・看護師・患者さんと毎日コミュニケーションをとる必要がある。「話し方が下手なせいで、仕事に支障が出ているのでは」という焦りもあった。
そんなときに手に取ったのが、永松茂久著『人は話し方が9割』だ。
この記事では、話すことへの苦手意識が楽になった体験と、本書の核心を正直に書く。「人は話し方が9割 レビュー」を探している方の参考になれば嬉しい。
読む前、僕が抱えていた「会話への苦手意識」
放射線技師という仕事は、患者さんと1対1で関わる時間が多い。検査前の説明、検査中の声かけ、検査後のやり取り——毎日何十人もの患者さんと話す必要がある。
でも、話すたびに「これで伝わっただろうか」「嫌な印象を与えなかっただろうか」と振り返る癖があった。医師や看護師ともコミュニケーションがうまく取れたらもっとスムーズに検査ができると分かってはいるものの、なかなか仲良くなれるきっかけが作れない。職場の飲み会では「何を話せばいいか」を考えすぎて疲弊する。
「話し方を磨けば解決する」と思い、コミュニケーション本を何冊か読んだことがある。でも「こう話せ」「こういうテクニックを使え」という内容ばかりで、実践するほど余計に頭で考えすぎてしまった。
考えすぎてしまうあなたに
あとから振り返ると、
会話が苦手だった理由は
「話し方」そのものよりも、
考えすぎてしまう自分の思考にあったのかもしれません。
考えすぎることで苦しくなっていた頃に
『考えすぎない練習』という本を読みました。
考えすぎてしまう人にはこの本もおすすめです。
こちらの記事にまとめています。

『人は話し方が9割』はどんな本?
著者は累計1,000万部を超えるベストセラー作家、永松茂久氏だ。本書は2019年の発売以来、シリーズ累計200万部を超えるロングセラーとなっている。
この本の出発点は、一般的な会話本とまったく違う。多くの人は話すのが苦手なのではなく、「話せるメンタル状態に持っていくのが苦手」なのだと著者は言う。
だからこそ本書が勧めるのは、「苦手な人との会話を減らし、大好きな人と話す時間を増やす」というシンプルな原則だ。話し方は無理して磨くスキルではなく、安心できる状態から自然に生まれるものだという視点が、他のコミュニケーション本との決定的な違いだ。
特に印象に残った2つの考え方

①「話す力より、聞く力を磨く」
本書で一番印象に残った言葉がこれだ。
人は誰もが自分のことが一番大切で、自分に一番興味がある生き物。だからこそ、自分に関心を持って話を聞いてくれる人を好きになる。
無理に面白いことを言わなくていい。ただ否定せず、うなずき、相手の話を聞く。それだけで会話は自然と続いていく——この考え方は、話し方を「発信するスキル」ではなく「受け取るスキル」として捉え直すものだった。
医療現場での患者さんとの関わりを振り返ると、「うまく説明しよう」と頭を使っていた時より、「ちゃんと聞こうと」意識した時の方が、患者さんの表情が柔らかくなっていたことに気づいた。
②「がんばれ」のタイミングと心の姿勢
良かれと思って使っていた「がんばれ」という言葉。
本書では、みんな自分の中でもう頑張っていると思っているので、そこへかけられる「がんばれ」は時に相手を傷つける言葉になると説かれている。
大事なのは相手の状況を見極めることだ。頑張りすぎている人には「ちょっと力を抜こうよ」。頑張れていない人には頑張りたくなるような言葉を。頑張っている人にはその先の未来を話す。「がんばれ」の一言にも思いやりの心を持つことで、相手との距離は縮まる。
これを読んで、職場で無意識に「がんばれ」を使っていた自分を反省した。言葉の内容より、その言葉をかける前に相手のことを考えているかどうかが大事なのだと気づいた。
読んで変わった、僕の3つの行動
① 沈黙を「埋めなきゃ」と思わなくなった
以前は沈黙が怖くて、慌てて何かを話そうとしていた。焦って出てきた言葉は的外れなことが多く、余計に会話がぎこちなくなっていた。
本書を読んでから「沈黙は悪いことじゃない」と思えるようになり、焦らず相手の言葉を待てるようになった。患者さんとの会話でも、無理に話を進めようとしなくなってから、相手が自分から話してくれる場面が増えた。
② アドバイスより「共感」を先にするようになった
後輩や同僚から相談を受けたとき、以前はすぐに「こうすればいい」とアドバイスしていた。でもそれは相手が求めていないことも多かった。
今は「それは大変だったね」「わかる、僕も同じ経験がある」と共感を先に伝えるようにしている。すると相談を受ける頻度が明らかに増えた。「話しやすい人」と思ってもらえるようになった実感がある。
③ 苦手な人との会話を無理に続けなくなった
職場に一人、話すたびにエネルギーを消耗する上司がいる。以前は「うまく付き合わなければ」と無理して会話を続けていた。
今は必要最低限の会話にとどめ、その分エネルギーを患者さんや信頼できる同僚との関わりに使うようにしている。「苦手な人との時間を減らす」という本書の原則を実践しただけで、職場でのストレスが体感的に3割ほど減った。。
無理しているあなたにはこの本も
無理して話そうとしなくなってから、
「相手にどう見られるか」よりも、
「今の自分は心地いいか」を
意識するようになりました。
そんな考え方に近いのが、
『自分を喜ばせる習慣』で語られている
「悦(えつ)」という考え方です。
がんばっているのに満たされなかった頃に感じたことは、
こちらの記事で書いています。

この本が向いている人・向いていない人
向いている人
- 人と話すのが苦手だと思い込んでいる人
- 会話に自信がなく、緊張してしまう30代
- 無理せず、人と自然に関わりたい人
- 職場や日常の人間関係を楽にしたい人
向いていない人
- 会話のテクニックだけを求めている人
- すぐに話し上手になりたい人
- 相手をコントロールする方法を知りたい人
まとめ:話し方は「心の姿勢」だった
『人は話し方が9割』を読んで、話すことへのハードルが下がった。うまく話そうとしなくていい。否定しなくていい。無理に盛り上げなくていい。
話し方とは、相手を大切にする心の姿勢だ。この本を通じて、いつでも感謝の心を持ち、相手の話をちゃんと聞くことが、会話がうまくなる最短距離だと学んだ。
「話すのが苦手」という思い込みは、実は「考えすぎているだけ」かもしれない。その気づきをくれた一冊として、コミュニケーションに悩む30代に迷わず勧められる。
相手への思いやりを学べる本
「話し方は心の姿勢」という考え方は、
永松茂久さんの『喜ばれる人になりなさい』にも
通じる部分があると感じました。
人に媚びるのではなく、
自分の軸を持ったまま誰かを喜ばせる。
その違いに気づかせてくれた本については、
こちらの記事で詳しく書いています。


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