- 「考え続けること」が苦しさの原因だと気づいた30代放射線技師の体験
- 本書が説く「考え」と「思考」の決定的な違い
- 読んでから変わった、不安との向き合い方
うまくいかない理由を考え続ける。不安にならない方法を探し続ける。気づけば、頭の中はいつもフル稼働だった。
地方の総合病院で放射線技師として働く32歳の僕は、まじめで心配性な性格だ。仕事のことも、お金のことも、人間関係のことも、頭の中で何度も再生し、答えを探そうとする。「考えれば解決する」と信じていたからだ。
でも、考えれば考えるほど、なぜか気持ちは重くなっていった。自律神経を乱し、座るだけで腰が痛む仙腸関節症を患ったのも、この「考えすぎる癖」と無関係ではないと、今は思う。
そんなときに手に取ったのが、ジョセフ・グエン著『考えすぎない練習』だ。
この記事では、本書を読んで「考えすぎること」そのものが苦しさの原因だったと気づいた体験と、実際に変わったことを正直に書く。
読む前、僕の頭は常にフル稼働していた
読む前の僕は、常に「どうすればうまくいくか」を考えていた。
仕事のミスをした日は、夜寝る前に何度も場面を再生した。「あのとき、こう言えばよかった」「次は気をつけよう」「でも、どうやって気をつければいい?」——考えているつもりが、実際には不安を脳内で繰り返し再生していただけだった。
お金の不安も同じだ。「このままでは将来どうなる」と考え始めると止まらない。考えれば考えるほど、答えは出ないのに不安だけが膨らんでいく。「考えること=努力」だと信じていたから、考えるのをやめる発想すらなかった。
頭を使えば使うほど気持ちは重くなり、心も体も疲弊していった。
30代になって不安なあなたへ
考えすぎてしまう背景には、
「このままでいいのか」という
将来への不安もありました。
そんな時に読んだのが、永松茂久さんの『30代は無駄に生きるな』。
30代になって立ち止まり、
人生の時間の使い方について考えていたときに、
助けとなった1冊です。
この本についてはこちらの記事にまとめています。

『考えすぎない練習』はどんな本?
著者はジョセフ・グエン氏。本書は世界20か国以上で翻訳され、Amazonで大ベストセラーとなっている自己啓発書だ。
本書が伝えているメッセージはとてもシンプルだ。「苦しみの根本原因は、自分自身の思考にある」。
僕たちはお金・仕事・人間関係といった外的な成果を求めているように見える。でも本当に味わいたいのは、愛・喜び・安らぎ・充実感といった感情だ。その感情は「考え続けること」からは生まれない。むしろ考えすぎるほど不安が増える。
本書はこの逆説を、何度も角度を変えて教えてくれる。 難解な哲学書ではなく、誰でも読める平易な文体で書かれている。考えすぎる人にとって、まさに「考える前に試したい」一冊だ。
特に心に残った3つの考え方

①「考えに考えて幸せを手にしたことは一度もない」
「私は考えに考えて幸せを逃したことは百万回あるが、考えに考えて幸せを手にしたことは一度たりともない」——この一節が深く刺さった。
思い返してみると、人生で一番幸せだった瞬間に、何かを深く考えていた記憶がない。家族と笑った時間、夢中になって仕事をしていた瞬間、安心して眠れた夜。逆に、不安で考えすぎて結局何もできなかった経験は山ほどある。
「やらずに後悔するより、やって後悔した方がいい」という言葉が、本当の意味でわかった気がした。
②「考え」と「思考」の違い
本書では「考え」と「思考」を明確に区別している。「考え」は自然に浮かぶもの。「思考」は、その考えについてさらに考えることだ。
苦しみを生むのは考えそのものではなく、「考えについて考え続けること」だと著者は言う。自分の考えについて思考し始めると、僕たちはその考えについて判断や批判を始め、感情的な苦しみを経験する。本書ではさらに「考えは創造する、思考は破壊する」とも語られている。
僕がやっていたのは、まさに「思考」だった。考えていたのではなく、考えについて考え続けていた。だから疲れていたのだと、初めて構造的に理解できた。
③ 何も考えていないとき、人は最高の力を出す
最高のパフォーマンスをしているアスリートは、よく「ゾーンに入った」と表現する。この状態は、何も考えていない状態だ。
僕たちは何かを生み出そうとするときほど考えすぎてしまう。でも本当は、考えに余白があるときにこそ、新しいアイデアや直感が入ってくる。
「頭がいっぱいだと、新しいものは入らない」——この感覚は、ブログを書くようになってから特に実感している。机の前で唸っているときよりも、散歩中や寝る前にふとアイデアが降りてくることの方が多い。
「奇跡が起こるための余白」をつくる
本書の中で印象的だった一節がある。「私は奇跡が起こるための余白をつくる。大事なのは、奇跡の大きさではなく、奇跡が起こるための余白をどれだけつくるかだ」。
ここで言う奇跡は、特別な出来事のことではない。新しい考え・思いがけないアイデア・ふとした直感のようなものだ。でもそれらは、頭の中が考えでいっぱいのときには浮かんでこない。考えようとする努力をやめた瞬間に、すっと浮かんでくる。
新しいものを生み出すために必要なのは「もっと考えること」ではなく、考えないための余白をつくることだ。考えない、答えを急がない、今の考えに疑問を持つ——それだけで、人生を少し変えるようなアイデアが入ってくる余白が生まれる。
頑張りすぎるあなたにはこんな本も
考え続けることが努力だと思っていた頃、
頑張り方そのものを見直すきっかけになった本があります。
それはひろゆきの『1%の努力』。
「努力=正解」だと思い込んでいた自分が、
少し楽になれたきっかけをくれたこの本については、
こちらの記事にまとめています。

読んで変わった、僕の3つの習慣

① 不安を感じても、すぐに答えを探さなくなった
以前は不安を感じた瞬間に「どうすれば解決するか」を考え始めていた。
今は「不安を感じている自分」をそのまま観察するようにしている。答えを急がない。すると、しばらく経つと自然に気持ちが落ち着いてくる。考えなくても、感情は勝手に流れていくのだとわかった。
② 「今は考えなくていい」と自分に言うようになった
夜寝る前に頭の中が考えでいっぱいになるとき、声に出して「今は考えなくていい」と自分に言うようにした。
最初は違和感があったが、続けるうちに考えのループから抜け出すスイッチになった。睡眠の質が上がり、翌朝の疲労感が明らかに減った。
③ 直感を信じる頻度が増えた
以前は「論理的に正しいか」を何度も検証してから動いていた。今は「直感的にこっちだ」と思ったら、まず動いてみるようにしている。
新NISAの開始も、ブログの開設も、「考えすぎる前に動いた」結果だ。考え続けていたら、どちらも今も始められていなかったと思う。

この本が向いている人・向いていない人
向いている人
- 何かあるたびに、頭の中で考えが止まらなくなる人
- 不安や後悔を、ずっと引きずってしまう人
- 頑張っているのに、心が休まらないと感じている30代
- 「考えること=努力」だと信じてきた人
向いていない人
- 論理的な解決策やフレームワークだけを求めている人
- すぐに結果が欲しい人
- スピリチュアルな表現に強い抵抗がある人です。
まとめ:考えない時間を持つことは、サボることではない

『考えすぎない練習』を読んで、人生が劇的に変わったわけではない。でも「考えない時間を持っていい」と思えるようになった。
苦しみは、自分の思考が生み出している。そのことを思い出すだけで、自然な安らぎに戻れる。考えない時間を持つことは、サボることでも逃げることでもない。むしろ、新しい何かが入ってくる余白を作る積極的な行為だ。
考えすぎて疲れている30代に、そっと寄り添ってくれる一冊だ。考えるのをやめてみたいと思ったとき、いつでも開いてほしい。

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